東映アニメーションが初めてカラー作品として製作したアクション作品が本作『タイガーマスク』だ。
また、本作では初めて原画からセルへ絵を転写するトレースマシンを導入しており(それまでは直接、手描きでセルに絵を写していた)、線の多い劇画調の絵をアニメ化することに成功している。
それゆえ、その見せ場ともいえるアクションシーンは今でも語り継がれるほどの力作なのだ。
ここではその素晴らしい名場面を演出した印象深き3人の覆面レスラーたちにスポットを当ててみよう。
覆面レスラーの覆面は単なる顔を隠すためのものではない。それを実証したのが、このゴールデンマスクだ。
タイガーマスクを抹殺するため、虎の穴が仕組んだ一大作戦『覆面ワールドリーグ戦』に参加した刺客レスラーである彼の最大の武器こそ、この覆面にある。
強化ガラスで作られた覆面は、素手で破壊することはもちろん、コーナーポストへの激突にも耐えるほど強固。さらに内蔵された特殊ライトによる怪光線は、テレビで観戦している人すら直視できないほどの光を放つ。

そして機械制御で開閉する鋼鉄の牙は、リングロープを軽々と切り裂くほどの威力を持っている。もはや単なる覆面と言えない機械仕掛けの凶器を持つのが、このゴールデンマスクなのだ。
 
第23話
命を賭ける虎
第24話 
開幕!!覆面リーグ戦
第25話 
黄金仮面との死闘
不動明王を模した覆面をつけたミスター不動。
その正体こそ、タイガーマスクこと伊達直人の親友である大門大吾だ。
直人との熱き友情ゆえ、虎の穴の刺客になることを拒否した大門だったが、死よりもつらい拷問によりリングにあがることを強要されてしまう。

だが、あえて凶悪覆面レスラーとして直人に倒されるため、正体を告げず戦って敗北する。その後、数奇な運命により生きながらえた大門だが、虎の穴を刺激することを恐れてレスラーとして戦うことを断念していた。

しかし、危機におちいったタイガーマスクを救うため、リングにふたたび上がり、共に虎の穴と戦うことを決意する。
もはやバトルものの定番となった、敵から味方への転身を果たした第一号キャラこそミスター不動なのだ。
 
第18話
宿命の対決
第71話
危うし!!猛虎
第72話
ミスター不動登場
飾りっ気のないシンプルな覆面に、その強大な力を秘めていたのが作品中でも1,2を争う実力を秘めたミスター・カミカゼだ。
カミカゼは柔道と空手を合わせた日本古来の武術で戦い、普段も和装で決めている純和風のレスラーである。
しかしその考えは独特で、たとえ反則であっても対戦相手を倒すためならば手段を選ばない。かと言って、卑怯な手段を使うのではなく、あくまでもリングを互いの肉体のみで戦う真剣勝負の場ととらえての行動なのだ。
 
その人間凶器ともいえる殺人技の数々は必殺技を失ったタイガーマスクを窮地に追い込み、結果的に第二の必殺技ウルトラ・タイガー・ブリーカーを生みださせた。その後、ふたたびタイガーマスクと戦い、彼と再戦した唯一の覆面レスラーとなった。
第44話
カミカゼの挑戦
第48話
カミカゼとの対決
第70話
未練のマット
現在ではインディーズコミック書店の名称として流通している「虎の穴」だが、本来は『タイガーマスク』に登場する悪役プロレスラー養成組織のことだ。

ミスターX

 

主人公のタイガーマスクこと伊達直人のように、素質があり身寄りのない少年たちを世界中からスカウトし、死屍累々たる地獄の特訓を課して悪役プロレスラーに育て上げる。その上で世界のプロレス界に派遣、ファイトマネーの50%を巻き上げるのだ。

さらにその取り立ても容赦なく、支払いが遅れたり拒んだりしようものなら、同じ虎の穴出身の覆面レスラーが刺客として差し向けられる。

それは優秀ゆえに虎の名前を与えられたタイガーマスクですら例外ではないのだ。
第4話では、そんな虎の穴の掟におびえる直人の姿が描かれる。また毎回オープニングの冒頭で流れる「虎だ、お前は虎になるのだ!」というナレーションの出典ともいうべき虎の穴のコーチのセリフには、「虎はライオンより強いのだ」という続きがあったことも判明する。

 

さらにアニメオリジナルの設定やエピソードも見どころのひとつだ。タイガーマスクをリング上で抹殺するのではなく、伊達直人自身を事故死に見せかけて殺そうと、ミスターXは3人の殺し屋を差し向ける。
催眠術を使って直人を自殺に追い込もうとしたり、自動車事故を装って殺そうとするなど、マスクを脱いだ直人と殺し屋たちのノンストップ・アクションが観られるのが第8話である。
 
第28話では、覆面ワールドリーグ戦においてタイガーマスク抹殺に失敗したことで虎の穴本部が反省し、訓練生の待遇改善とコンピュータシステムによる管理で組織の近代化を図ることとなる。
また、ここで登場した正体不明のボスにより、虎の穴が単なる悪役プロレスラー養成組織ではなく、世界的な悪のシンジケートに属し、その資金源のひとつであることが明らかにされているのだ。
 
第4話
虎の穴の掟
第8話
「虎の穴」の罠
第28話
甦える「虎の穴」

タイガーマスクの最終回で主人公、伊達直人は死闘の末、虎の穴のボスを倒して何処へともなく姿を消すが、その8年後、日本プロレス界を狙う宇宙プロレス連盟と戦うべく『タイガーマスク二世』が颯爽とリングに登場した。

 

主人公の亜久竜夫は伊達直人と同じ孤児院で育つ。直人が命がけで稼いだ金を自分たちのために寄付してくれていたことを知った幼い竜夫は、その志を継ぐことを決意して虎の穴で修業したのだ。

 

前作でも数多くの個性豊かな覆面レスラーが登場したが、本作でもユニークな覆面レスラーが敵として立ち塞がる。最初の挑戦者、宇宙仮面SFは上空からの必殺技、宇宙遊泳でタイガーを苦しめるが、その正体は元宇宙飛行士で、事故で亡くなった仲間の家族と難病の息子のために多額の金銭を手にするため、宇宙プロレス連盟と契約して戦っていた。

 

この他にも死神シルバーや女性であるアイアンマスクなどドラマ性の高いレスラーが登場する。

 

放送当時
現実の新日本プロレスでも佐山サトルがタイガーマスクとして活躍しており、番組のラストでタイガーの技を紹介していた。
そのためかぶっていたマスクはタイガーマスク二世のものだった。

 
第1話
「ほえろ!リングの誓い」
第2話
「虎の穴で鍛えた男」
第3話
「マスクをかけた死闘」
(C)梶原一騎・辻なおき/講談社・東映アニメーション
(C)梶原一騎・宮田淳一・辻なおき/講談社・東映アニメーション